@article{oai:shitennojiuniversity.repo.nii.ac.jp:00000283, author = {平井 , 秀幸}, issue = {68}, journal = {四天王寺大学紀要}, month = {Sep}, note = {本論文では、近年の犯罪学関連領域のなかで急速に注目を集めている「ナラティヴ犯罪学」に注目し、その概括的レヴューを試みると同時に、それを通して、「規範的コミットメントを明示する」複数の学究間での「ナラティヴ的闘争」の重要性を示唆する。ナラティヴ犯罪学は比較的新しい学問領域であるが、犯罪学の内外を問わずさまざまな過去の学的アイデアから影響を受けており、緩やかではあるが構築主義的な志向性を有している。後発学問とも言えるナラティヴ犯罪学は、急速に「構造」と「エージェンシー」を接合するような研究指針を掲げるようになっているが、それはナラティヴ犯罪学の本拠地のひとつでもある、「犯罪」からの「離脱」をめぐる研究領域において確認できる。また、ナラティヴ犯罪学はフェミニズムとも密接 な関係性を有するが、そこではdoing gender 研究において顕著なように、「構造」と「エージェンシー」を架橋するとともに、研究者が有する「規範的コミットメントを明示する」ナラティヴ犯罪学が志向されている。現実世界におけるナラティヴ的ヘゲモニーは重層的かつ複雑であり、ハームフルなマスター・ナラティヴに対して複数のナラティヴ犯罪学者が多様な対抗ナラティヴを提示するとともに(「ナラティヴ的介入」)、それらの相互批判を接続させ続けていくことが重要であろう。その意味で、むしろ賭けられているのは、「規範的コミットメントを明示する」ことそれ自体ではなく、「いかなる規範的コミットメントが望ましいのか」をめぐって複数のナラティヴ的介入がせめぎあう「ナラティヴ的闘争」のアリーナ整備ではないだろうか。}, pages = {175--198}, title = {ナラティヴ犯罪学における近年の展開 ―規範的コミットメント・ナラティヴ的介入・ナラティヴ的闘争―}, year = {2019}, yomi = {ヒライ, ヒデユキ} }